第7回ツール・ド・ゆう
2002年11月23日(土)〜24日(日)
昨年山口きらら博大会のメモリアル大会として復活した「ツール・ド・ゆう」。今年の第7回大会には、エクシーから、ノーステール,マダム,ぶっさん,うに@の4人が参加した。本来なら前夜祭から報告すればいいのだが、本番2週間前に試走したときから自分のこの大会に対する考えが一変する!・・・今まで経験したことのない激坂が待っていたのである。(今回はうに@さんの初レポートです。)
ノーステールさんの誘いで、マダムさんともども銭壷山に初挑戦する日がやってきた。が、前日からの大雨で走る気力が萎えていたため、前の晩もだらだらと夜更かしをしてしまう。マダムさんも来る途中、不安に思ったのか掲示板に宮島サービスエリア付近も大雨だと書き込みしていた。しかしノーステールさんはやる気満々で出発したようで、自分もようやく支度し出発する。
待ち合わせの由宇町役場の駐車場に着くと小雨が降ってるものの晴れ間も見える、が、寒い・・・。スタート地点は銭壷山へのメイン県道から50メートルほど離れた旧道だ。平地が全く無く、いきなり坂道である。ノーステールさんの話ではスタートダッシュをするとすぐヘロヘロになるとの事。3人で話しながらゆっくりとアップのつもりで登る。しかし団地を抜ける頃からいきなり激坂だ・・11、いや12%以上ありそうだ。内心ビビっていたが、他の2人には気づかれないよう平静を装う。
しばらく漕いでいると視界が開けてくる、みかん畑と瀬戸内海がとても綺麗だ・・ここの風景も去年のレポートの写真にあったなと話しながら進んでいく。最後の人家をすぎるとまたもや激坂だ・・しかし距離は短く、カーブを抜けると平地らしきものが見えてホットする。この後かなりの下り坂があり、なんか損した気分である。そして10年前までの旧「ツール・ド・ゆう」のスタート付近まで来たとき「14%」の標識が見える・・・ここからが本当の「ツール・ド・ゆう」だ。この斜度は全く経験が無いわけではない、が「ゆう」では延々と2キロ以上続くのだ!まったく未知の世界である。
ノーステールさんはアップ終了とばかり飛ばしていく・・・すぐに見えなくなってしまった。呼吸が乱れ、蛇行気味になる、メータは時速6kmを指している・・・もう歩いてもあまり変わらない。マダムさんの背中に何とか食らいついていくも、斜度がゆるくなるにつれマダムさんの速度が上がって行き、自分との距離が離れていく・・ついていけず。
残り3キロ付近から平地が続くため、マダムさんに追いつこうと無理をしオーバーペース気味になる。これが最後の「心臓破りの坂」で響いてくる事になるとは・・・。
残り1キロ付近で頂上の電波塔が見える。この風景が自分にはツール・ド・フランスの魔の山「モンバントウ」に見えてしまう。あそこまで登るのか・・・。
右手にふれあいパークが見えてきた。「ここが噂の心臓破りの坂」の標識の付近では道幅いっぱいを使って走っている状態だ・・・早い話が蛇行しているのだ。メーター読み5km・・情けない。
ゴールするも42分16秒。マダムさんは3分以上前に着いていた。急坂が苦手なのは自分でも薄々気づいていたがここまでとは。
昨日の惨状に奮い立ち、いつもの練習コースである大竹〜渡ノ瀬ダム〜佐伯町〜吉和村のタイムトライアルをしてみる。吉和に近づくにつれ、なんと路肩に雪が積もっている!とても走りにくい。が、2時間8分と自己最高タイムであった。やはり昨日は調子うんぬんでなく実力だったようだ・・。
次の休みには由宇町まで自走し、再度銭壷山に挑戦する。しかしコースに入るやいなや脚が止まる・・・まだ500メートルも走っていない。おまけに14%の激坂でビンディングが外れコケる。ほうほうの体で山頂までたどり着くも44分。目の前が真っ暗になった。
本番まで1週間を切った。「ツール・ド・おきなわ」に参加した人のレース前の体調管理の記事を参考に朝食はバナナのみ、晩御飯は鶏肉・野菜にし炭水化物は極力減らす生活にする。どうしてもお腹が空いたときは少量のコーンフレークに牛乳をかけて食べた。体重は2キロ減る。
いよいよ明日が本番だ。自宅周辺を25キロほど軽く走り、車で会場となるふれあいパークへ行く。ここは宿泊費が2000円と安く、前夜祭の参加費を合わせても4000円にしかならないため、近場だが宿泊することにしていた。
受付時間の午後5時ギリギリに到着すると、駐車場にノーステールとマダムさんの姿があり、とっくに受付をすましたとの事。そうそうに受付をし部屋に行くと、なんと4人部屋にノーステールさんと2人だけだ。隣はマダムさん一家が泊まっていた。ここでぶっさんやその友人のI君とも合流し、しばし歓談する。
開会式の前に前年と同じく銭壷太鼓の披露があった。そしてビールが注がれた後の長〜い挨拶も前年のままだ(笑)しかし由宇町長をはじめ県・町役場の担当者も町の活性化への情熱が感じられる。自分の住んでいる○竹市とはえらい違いだ。
前夜祭はビール・日本酒・ジュースなど飲み放題である。手作りのおにぎりやスパゲティなども大変美味しく、この1週間炭水化物絶ちをしていた自分のお腹にすっと入っていく。その後部屋に帰り夜遅くまで楽しく過ごした。不思議と緊張せず、すぐに寝る。
とうとう11月24日がやってきた。絶好のレース日和の天気である。11月も終わろうというのにかなり暖く感じる。試走では暑さに悩まされため、今日は半袖ウエアとレーパンのみの完全な夏装備で挑戦しようと思っていただけに、この気温はありがたかった。
朝食の量が少なかったため、1本だけ持ってきたバナナを食べる。同室のノーステールさんもお腹がすいているようだが、今日は補給食を持ってきてる人はいないだろう・・。
宿を出て駐車場で自転車のチェックをしていると、ようやくYCSCの監督さんがやってきた。ぶっさんが軽量ホイールを借りるつもりで、昨日から首を長くして待っていたのだが・・・。来年開催される予定の野呂山ヒルクライムの視察で、川尻町役場の人達と一緒にやってきたようだ・・しかし一番走りたがっているのは間違いなくこの方だろう。
ここでYABAIのやんにし君と合流する。YABAIは柳井の自転車クラブだが、今回は一人だけのエントリーのようだ。年齢も実力も同じなので一緒に走れる仲間が出来たと喜ぶ。
開会式のあと、スタート地点まで全員で下る。傾斜がきつくブレーキを握りっぱなしになるため、下りといえど一苦労である。スタート地点ではなぜか係員の誘導で国道沿いを一列で歩かされる。そうだ、今年は商店街パレードがあるんだった・・・。先導員に続いて由宇町商店街を全員で往復する。恥ずかしいためか挨拶や手を振り返す選手が少ない・・・こんなにも一生懸命沿道で応援してくれているのにもったいない。
こんな場面には「ツール・ド・のと400」で慣れている自分であったが、沿道のすべての声援に応えていると、最後には疲れてしまった。
パレードが終わると、今度は地元の小学校の激励の踊りが披露された。子供たちが一生懸命踊る姿はとても可愛い。昨日の銭壷太鼓といい、地元が一生懸命盛り上げてくれるのは嬉しい限りだ。
スタートは部門・年齢別なので、自分は10時33分である・・・ローラ台でアップしている選手もいるが、そんな便利なモンは持っていないのでストレッチしながら時間をつぶす。
10時30分、いよいよロード部門30歳以下クラスからのスタートだ。スタートと同時に猛ダッシュで視界から消えていく選手がいる・・・自分のゴールスプリントより速いのは間違いないが、あのペースで登れる人はいないだろう。
ようやくスタートラインに立つ。他のダッシュする選手の邪魔にならないよう道の端に陣取ることにした。隣にはやんにし君もいて心強い。しかしぜんぜん緊張しない自分が不思議だ。
スタートの号砲が鳴る。先ほどのクラスと違い猛ダッシュする人は少ない。が、やはり最後尾でのスタートとなる。団地の横まで来ると早くも一人の選手が後方に下がって行った。ヒルクライムでは自分のペースをいかに守れるかが大事だ・・心のなかでつぶやく。
やんにし君は試走を一回もしていないためか、確実に自分のペースより速い。先を知らないのは、ある意味幸せだ。しかし一人になるのは寂しいので、「ここ飛ばすとあとキツイよ!」と声を掛けるやいなやスピードが鈍る。最初の激坂の洗礼を受けたようだ。やはり2回試走しているのは大きい。ペース配分を考え、最初は無理をせず時速10km程度をキープする。最初の平地区間に来ると、とたんに周り全員のペースが上がる。やんにし君も集団と一緒にペースアップし、すぐに30m以上離される・・・しかし最後の人家の後にまた激坂があるためマイペースで走っていると、案の定、坂で集団に追いた。この後の下り坂はみんなかなりのペースだ。
そして斜度13%近くの激坂が待っている。早め早めにギアを落とし、息を整える・・・脚もまだまだ大丈夫だ。なにより周りの状況を冷静に見ている自分がいる。試走の時とは違いかなり余裕がある。やんにし君はちょっと疲れたのか、自分の後ろについた。目の前のパールのチームジャージを着た選手を目標に登っていく。やはりヒルクライムは前に目標がいると格段に楽だ。
そして旧「ツール・ド・ゆう」のスタート付近まで来た。例の「14%」の標識が見える・・・いよいよだ。
ここでやんにし君が一旦前に出るも、長くは続かず下がっていく。自分も目標にしている選手についていくのが精一杯となる。が、まだ呼吸は乱れていない。メーターは時速8kmを指している・・・いいペースだ。
試走でコケた場所を通過する。残り4キロを切った・・もうすぐ長い平地があり、それを目標に気力で登っていく。気が付くとすぐ後ろにやんにし君が!大きく遅れているかと思っていたが、試走もせずこのペースで登れるのには驚く。
平地が近づき、徐々にペースを上げる。ん?何か女の子の声援が聞こえるぞ・・・。おおっ沿道に4人の女の子が応援している!疲れていたが思わず手を振る。すると「やんにし〜」と声が・・・。そうか、あれはYABAIの所属するショップであるヒロシゲの女の子たちだったのか・・・エクシーでは絶対ありえない声援に、ちょっと羨ましくなる。
平地ではあまりスピードが上がらない。特に激坂を登ったばかりなので、20km程度しか出ていない・・・が、ここでやんにし君が前を引いてくれる。この男まだまだ元気である。おかげで最後の坂を前に体力をかなり回復することが出来た。
ふれあいパーク前を通過すると、最後の激坂が待っている。ここでマダムさんファミリーを発見!子供たちも一生懸命応援してくれている・・・残り400m「心臓破りの坂」だ。しかしここからダッシュする勇気も元気も無い。前の選手にくっつく様に走る。
残り200m、まだスパートできない。そして最後の直線に入る・・・この先のカーブを越えたらゴールだ。前の選手をパスし、最後のスパートをかける。ゴール後、時計を見ることを忘れていたことに気づき、急いでタイムを計算する。35分台だ!試走より7分以上も速くなったことに思わず笑みがこぼれた。
この後給水所でポカリをもらい、先に着いていたノーステールさん、ぶっさん、友人のI君と合流した。周りのみんなも晴れ晴れとした顔をしている。本当に気持ちがいい・・・自転車乗ってよかったと思える瞬間である。
この後少し冷静になる。さっきはヘロヘロだったので気づかなかったが、給水所の女の子が可愛い事に気がつく。この汗まみれな男だらけの雰囲気に全然似合っていない。
周りに邪魔な人がいないのを確認し、もう一杯もらいに行くことにする。直接手渡してもらい素直に喜ぶ。隣にいたやんにし君にも教えると、喜んで給水所に向かった・・・単純な奴である。
が、給水所の前にいたおじさんに捕まり、手渡しでもらっている・・・すごすごと帰ってくるやんにし。
こうゆう事は的確な状況判断と素早いアタックが大事だ!レースと同じである・・・ふっ、まだまだ青いな(笑)
ふれあいパークまで自転車を押して下る。レース終了後のほっとした雰囲気は何度経験しても気持ちいいものだ。表彰式までは、まだ時間がある。ノーステールさん達は風呂へ、ぶっさんは早速炊き出しの方に向かっていた。先ほどゴールしたときに豚汁・カレー・うどんの豪華3点食券をもらっているのだ・・・本当に「ゆう」は食事も豪華である。
この後、恒例になってる宝探しがあり、なんと一番欲しかった銭壷焼きの壷をもらうことが出来たのはすご〜く嬉しかった。本当に大人も子供も楽しそうである。
また、豪華景品の抽選会もあり、ノーステールさんがヘルメットをゲット(凄!)したのを皮切りに他のメンバーも靴下や手袋など、これでもか!とばかりもらえた。参加料は4000円なのに、商品だけでも元がとれそうである。やっぱりスポンサーがあるって言うのは凄いな・・。
そして表彰式である。総合一位はなんと24分台・・・全員から驚きの声が上がる。わがエクシーからは表彰台に上がれる人はいなかったが、来年こそはもっと上に行きたいと素直に思えるレースだった。「ツール・ド・ゆう」・・・選手もサポートも観客も本当に最高のレースである。